特集 アレルギー疾患―最新治療と生活からの視点
Ⅱ 気管支喘息
気管支喘息と受動喫煙
池田 政憲
1
1岡山大学大学院医歯薬学総合研究科
pp.48-53
発行日 2023年10月20日
Published Date 2023/10/20
DOI https://doi.org/10.34433/pp.0000000704
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はじめに
WHOは21世紀中に10億人がタバコのために命を失うと指摘している1).わが国ではおおむね2,000万人が喫煙者であり,タバコを主因とする死亡は能動喫煙で年間128,900人,受動喫煙では小児も含めて15,000人と推計されている2).受動喫煙は気管支喘息(以下,喘息)の死亡リスクを高める深刻な要因であり,喘息は,虚血性心疾患や下気道感染症とともに受動喫煙に起因する3大死因の1つである.タバコ煙がもたらす健康影響は,現在解決が求められている喫緊の課題である.
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