特集 なぜ今,医療基本法なのか
患者会の立場から
長谷川 三枝子
1,2
1患者の声協議会
2公益社団法人日本リウマチ友の会
キーワード:
医療
,
患者会
,
患者の声
,
医療政策
Keyword:
医療
,
患者会
,
患者の声
,
医療政策
pp.624-626
発行日 2013年8月1日
Published Date 2013/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541102586
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日本リウマチ友の会は,1960年に152人の患者で発足し,1970年に社団法人として認可された.以来,「リウマチに関する啓発・リウマチ対策の確立と推進に関する事業を行い,リウマチ性疾患を有する者の福祉の向上に寄与する」という会の目的をもって活動を続けた結果,すべてのリウマチ患者に還元される公益事業の継続が評価され,2012年に公益社団法人へ移行した.この間,リウマチ患者の療養環境は大きく変わり,特に医療に関しての進展は周知のとおり,治療の目標が「寛解」を目指せるようになった.これは当会が5年ごとに実施している実態調査の結果をまとめた「リウマチ白書」1)のなかでも数で裏付けられている(図1,2).
しかし,53年間の患者会としての活動を通してみた時,医療政策に関しては,依然として患者・国民不在のままであり,日本の医療政策に関する議論は初めに予算ありきの時代が続いている.本来,医療は人間の生命を守るための,唯一無二の砦であり,国は,なにより優先して国民の生命を守ることを第一に考えるべきであるが,長期の医療を必要とする難病患者や慢性疾患患者の立場からはそうは考えられない.
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