Japanese
English
第1土曜特集 1型糖尿病――診療と研究の最前線
治療技術の進歩
膵・膵島移植の現状と展望
Pancreas and islet transplantation for type 1 diabetes in Japan
――Current status and future perspective
粟田 卓也
1
Takuya AWATA
1
1国立国際医療研究センター理事長特任補佐(膵島移植担当)
キーワード:
膵移植(膵臓移植)
,
膵島移植
,
異種移植
,
再生医療
,
インスリンポンプ
Keyword:
膵移植(膵臓移植)
,
膵島移植
,
異種移植
,
再生医療
,
インスリンポンプ
pp.629-636
発行日 2022年5月7日
Published Date 2022/5/7
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28106629
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
1型糖尿病の根治療法である膵移植は,これまでに全世界で50,000例以上が行われ,日本でも500例近くに実施されてきた.その多くは腎不全を伴う症例への膵腎同時移植であるが,インスリン離脱と生命予後の著明な改善をもたらしえる.一方で,低侵襲の膵島移植は移植成績が改善し,日本では2020年度から保険収載された.膵島移植は,最新のインスリンポンプによる治療よりも血糖変動の改善効果が高く,生命にも関わる重症低血糖を劇的に減少させる.今後は,膵移植および膵島移植のメリット・デメリットを踏まえたうえでの治療選択を行い,必要とする患者への移植を積み重ねながら,移植実施体制の維持・強化を行うとともに種々の課題を克服することでさらなる成績向上が望まれる.また,ドナー不足のためにブタ膵島やES細胞あるいはiPS細胞由来の膵β細胞の移植も今後の臨床応用が期待されている.
Copyright © 2022 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.