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第1土曜特集 1型糖尿病――診療と研究の最前線
治療技術の進歩
1型糖尿病に対するSGLT2阻害薬併用療法を安全に活用するために
Safe use of SGLT2 inhibitor combination therapy for type 1 diabetes mellitus
山﨑 真裕
1
Masahiro YAMAZAKI
1
1京都府立医科大学大学院医学研究科内分泌・代謝内科学
キーワード:
1型糖尿病
,
SGLT2阻害薬
,
正常血糖ケトアシドーシス
Keyword:
1型糖尿病
,
SGLT2阻害薬
,
正常血糖ケトアシドーシス
pp.623-628
発行日 2022年5月7日
Published Date 2022/5/7
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28106623
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インスリン依存期にある1型糖尿病治療の基本はインスリン強化療法である.2019年からSGLT2阻害薬が1型糖尿病の新たな治療としてインスリン強化療法に併用可能となった.もともと2型糖尿病に対する経口血糖降下薬であったSGLT2阻害薬は血糖降下効果だけでなく,体重減少作用や薬剤そのものによる合併症発症・進行予防効果もあることがわかり,腎不全,心不全への適応拡大もされている.1型糖尿病においても近年,体重増加傾向がいわれており,体重コントロールは重要な課題であるとともに,HbA1c低下作用によらない合併症予防効果からSGLT2阻害薬併用への期待は大きい.しかし脱水や性器・尿路感染症のみならず,インスリン分泌能の低下した糖尿病における正常血糖ケトアシドーシスの危険性もいわれ,安全に使用するために患者教育とともに医療者自身のスキルアップも重要となる.筆者らの臨床研究の結果と合わせて,実症例の経験から安全にSGLT2阻害薬併用療法を実施するための学びの機会としたい.
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