Japanese
English
第1土曜特集 1型糖尿病――診療と研究の最前線
治療研究
バイオ人工膵島の可能性
Potential of bioartificial pancreatic islets
霜田 雅之
1
Masayuki SHIMODA
1
1国立国際医療研究センター研究所膵島移植プロジェクトプロジェクト長
キーワード:
バイオ人工膵島
,
膵島移植
,
1型糖尿病(T1DM)
,
再生医療
Keyword:
バイオ人工膵島
,
膵島移植
,
1型糖尿病(T1DM)
,
再生医療
pp.724-727
発行日 2022年5月7日
Published Date 2022/5/7
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28106724
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1型糖尿病(T1DM)は,膵β細胞からのインスリン分泌が低下する,根治療法の確立されていない疾患である.治療には主に外因性インスリン投与が行われるが,生理的な内分泌機能を再現できず,完全に持続的な正常血糖を得るのは困難である.一部の患者では膵島または膵臓移植が行われる.しかし課題としてドナーの不足がある.また,移植後には免疫抑制剤を生涯使用する必要がある.そこで,さまざまな工夫を加えた “バイオ人工膵島” が研究されている.バイオ人工膵島はヒト膵島を用いるものもあるが,より望ましくはヒトドナー以外の大量入手可能な細胞源を用いることでドナー不足を解消することである.また,免疫抑制剤なしで拒絶反応から保護するために細胞をカプセルで覆う方法を併用することが多い.多くのモデルがあり,細胞源,カプセル化方法,移植位置についてさまざまなアプローチをとっている.本稿では,バイオ人工膵島の現在の状況や進歩について述べる.
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