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特集 糖尿病の外科治療―糖尿病は治るのですか?
膵島移植の実際―外科から―細胞移植治療による糖尿病根治を目指して
Clinical islet transplantation;surgical point of view
松本 慎一
1
1京都大学医学部附属病院臓器移植医療部
キーワード:
膵島移植
,
インスリン依存状態糖尿病
Keyword:
膵島移植
,
インスリン依存状態糖尿病
pp.629-633
発行日 2005年7月15日
Published Date 2005/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100005
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Case 世界初の生体膵島移植成功症例1, 2)
レシピエントは4歳時に膵炎,15歳時にインスリン依存状態糖尿病を発症した27歳の女性.血糖コントロールのための入院を行い,インスリン強化療法を行っていたが,無自覚性を含む低血糖が頻回あり血糖は極めて不安定であった.網膜症,腎症,神経障害はなかった.ドナーは46歳女性でレシピエントの母親.血縁者では,レシピエント以外に糖尿病はない.75gブドウ糖負荷テストで正常パターン,HbA1C は5%でBMIは24.8であった.提供された膵体尾部からおよそ40万個の膵島が分離され直ちに移植された.移植後血糖値は直ちに安定し,移植後22日目にインスリン離脱を達成した.ドナーは術後18日目に退院し,1カ月以内に営業の仕事に復帰している.移植後37日目に75gブドウ糖負荷試験をレシピエントとドナーともに行い,ともに正常型であった.
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