FORUM 日本型セルフケアへのあゆみ・第15回
摂食・嚥下機能が低下した人の在宅ケア
児玉 龍彦
1
1東京大学先端科学技術研究センターがん・代謝プロジェクトリーダー,日本セルフケア推進協議会業務執行理事
pp.360-364
発行日 2022年4月23日
Published Date 2022/4/23
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28104360
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POINT
●誤嚥や窒息の事故への対策は,高齢者の療養において大きな課題となる.鹿児島県の介護施設で,朝食でロールパンを食べた男性が窒息により低酸素脳症に陥り,施設側に約4,000万円の賠償が命じられた判例は関係者に衝撃を与えた.
●高齢化の影響を受け入院日数は短期化の傾向にあり,在宅でも嚥下機能に配慮した食事の提供が求められる.
●注意すべきは,病気から回復することが目的である病院での “非日常的な生活” とは異なり,在宅や介護施設での療養では食事を楽しむ “日常的な生活” が求められ,当事者の嗜好や希望にも合わせていく工夫が要ることである.
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