特集 小腸内視鏡が変えた疾患マネージメント
在留外国人の大腸アニサキス症例 過去約30年間における日本人の大腸アニサキス症報告例の文献的考察を含めて
楠本 智章
1
,
伊藤 百香
,
武 進
1日本鋼管福山病院 消化器内科
キーワード:
アニサキス症
,
IgE
,
回盲弁
,
鉗子
,
大腸内視鏡法
,
好酸球
,
白血球計数
,
腹痛
,
盲腸疾患
,
外国人
,
ベトナム
Keyword:
Vietnam
,
Eosinophils
,
Leukocyte Count
,
Ileocecal Valve
,
Immunoglobulin E
,
Cecal Diseases
,
Colonoscopy
,
Abdominal Pain
,
Anisakiasis
pp.1900-1905
発行日 2021年12月25日
Published Date 2021/12/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2022082038
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
アニサキス症はアニサキスの寄生した海産魚介類を経口摂取することで引き起こされる寄生虫症である。本邦ではその大部分が胃アニサキス症であり、大腸アニサキス症は稀とされている。本症例は25歳の男性で、来院8ヵ月前にベトナムより来日した外国人研修生である。下腹部痛を主訴に当院紹介受診となった。腹部CTでは腸閉塞像などは確認できなかったが、末梢血の軽度好酸球増多を認め、大腸内視鏡検査にて回盲弁に刺入するアニサキス虫体を確認できたため、大腸アニサキス症と診断した。生検鉗子を用いて同虫体を摘出したところ、臨床症状は速やかに改善した。なお、本症例では海産魚介類の摂食歴は不明であった。近年、在留外国人は増加傾向にあり、日本人と同じ食文化を好むケースも多い。このため、外国人の消化管アニサキス症が今後増加する可能性も示唆される。今回、過去約30年間の大腸アニサキス症例の文献的考察も含めて報告する。
Copyright© 2021 tokyo-igakusha.co.jp. All rights reserved.