オンラインによる臨床研修 -――橋本市民病院の事例

Online clinical training ――a case study of Hashimoto Municipal Hospital

◎新型コロナウイルスパンデミックにより卒後臨床研修にも大きな影響を与えた．今まで行っていた集合研修が行えなくなり，研修が一部中止されたり，方法の変更を余儀なくされた．しかし，社会でも起こっているように，ICTを取り入れることで既存の研修とは異なった形で拡張した教育を提供することも工夫によっては行える．SAMRモデルという，「従来の教育にICTを活用した場合に起こる影響度を段階的に示すモデル」が存在し，既存の教育を代用するだけでなく，増強，変容していくことも可能とされている．

　現在は無料や低額で使用できるサービスやウェブアプリが多く存在し，それらを上手く活用することで，今まで以上の教育効果を期待することもできると考える．本稿ではそれらを「ミニマルICT医学教育」と称して，いくつかの実践的な手法も交えながら，その効果について説明したい．