Japanese
English
TOPICS 癌・腫瘍学
難治性リンパ腫に免疫抵抗性を与えるLivinの役割
The role of Livin in immune resistance of refractory lymphoma
杉原 英志
1
Eiji SUGIHARA
1
1藤田医科大学共同利用研究設備サポートセンターゲノム解析室,同がん医療研究センター遺伝子制御研究部門
pp.163-164
発行日 2022年1月8日
Published Date 2022/1/8
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28002163
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免疫療法と抵抗性の存在
近年,免疫チェックポイント阻害薬による免疫療法ががんに対する新たな治療法として大きなインパクトを残しているが,抵抗性を持つ腫瘍が一部存在することも報告されている.免疫細胞ががん細胞を攻撃する仕組みとして細胞障害性T細胞が細胞を溶解したり,アポトーシスを誘導することで細胞死を引き起こすことが知られている.このなかで主要な攻撃方法がFasリガンドを介したFas誘導アポトーシスである.がん細胞に発現した細胞膜分子のFasはFasリガンドと結合すると三量体を形成してDISCとよばれる複合体をつくり,その後,システインプロテアーゼであるCaspase-8,Caspase-3および7を活性化することでアポトーシスを誘導する(図1-A).しかしFasを発現したがん細胞が免疫細胞の攻撃に対してどのように抵抗性を示すのか,未解明な部分が多い.
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