Japanese
English
特集 ADHDの最近の知見――発症メカニズムと治療法
ADHDにおける精神疾患の併存と鑑別
Comorbidity and differential diagnosis of psychiatric disorders in ADHD
柏 淳
1
Atsushi KASHIWA
1
1医療法人社団ハートクリニック ハートクリニック横浜院長
キーワード:
破壊的行動障害(DBD)マーチ
,
情動調節障害(ED)
,
双極性障害
,
境界性パーソナリティ障害(BPD)
,
複雑性心的外傷後ストレス障害(cPTSD)
Keyword:
破壊的行動障害(DBD)マーチ
,
情動調節障害(ED)
,
双極性障害
,
境界性パーソナリティ障害(BPD)
,
複雑性心的外傷後ストレス障害(cPTSD)
pp.147-151
発行日 2022年1月8日
Published Date 2022/1/8
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28002147
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注意欠如・多動性障害(ADHD)では,不注意,多動・衝動性といった特性のために日常的に失敗や自尊感情を毀損する事態が発生しやすく,二次的な精神疾患の併存率が高い.一方で,ADHDの有病率は小児で5%,成人で2.5%と高いことも知られている.そのため,とくに成人期のADHD診療においては精神疾患の併存はしばしば認められるが,逆に精神疾患の診療におけるADHDの併存も日常的といえる.さらに,双極性障害や境界性パーソナリティ障害(BPD),そして複雑性心的外傷後ストレス障害(cPTSD)など,ADHDと類似した臨床症候を呈し,併存のみならず鑑別診断が必要となる精神疾患も存在する.成人期ADHD診療に重要なポイントは以下の3つとなる.①不安障害やうつ病をはじめ,併存する精神障害を診断・治療する.②ADHDと類似した精神疾患を鑑別する(併存する場合もあるので注意する).③見逃されることの多い,精神疾患の背後に隠れたADHDを診断する.
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