発行日 2004年5月1日
Published Date 2004/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2004219798
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28歳男.38℃台の発熱,咳嗽,全身倦怠感を認め,感冒と診断され投薬された.血液検査で軽度肝障害を指摘された.肝炎ウイルス以外のウイルスに関する検査では,パラインフルエンザ3型ウイルス抗体が512倍と強陽性を示したが,アデノウイルスは弱陽性,その他は陰性であった.腹部超音波で軽度の肝脾腫を認めるのみで,腹部CTでも異常所見はなかった.超音波ガイド下肝生検では一部に肝細胞壊死,軽度リンパ球浸潤を認めるのみで非特異的な所見を呈した.肝機能障害を認めたため,安静にして,経過観察した.肝機能障害は正常化した.数日間の発熱と咳嗽の後に肝障害をきたし,パラインフルエンザ3型ウイルスの抗体価上昇とその後の抗体価変化および肝生検所見から,パラインフルエンザ3型ウイルス感染に伴う急性肝炎と考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2004