Japanese
English
第1土曜特集 パーキンソン病を解剖する――過去,現在,そして未来へ
基礎研究の進展
α-シヌクレイン細胞間伝播
-――メカニズムから新規治療へ
Cell-to-cell transmission of α-synuclein
――From mechanism to novel therapeutic approaches
石山 駿
1
,
長谷川 隆文
1
Shun ISHIYAMA
1
,
Takafumi HASEGAWA
1
1東北大学大学院医学系研究科神経・感覚器病態学講座神経内科学分野
キーワード:
α-シヌクレイン(α-syn)
,
細胞間伝播仮説
,
疾患修飾療法
Keyword:
α-シヌクレイン(α-syn)
,
細胞間伝播仮説
,
疾患修飾療法
pp.860-864
発行日 2021年9月4日
Published Date 2021/9/4
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27810860
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
パーキンソン病(PD)をはじめとするシヌクレイノパチーにおいては,異常凝集したα-シヌクレイン(α-syn)が病態の主役を演じていると推定されている.病理学的解析や細胞・動物モデルを用いた研究から,一部のα-synは細胞間を伝播し隣接する神経組織へと病変を拡大させる可能性が指摘されている.細胞レベルでのα-syn細胞間伝播には,エンドサイトーシス,エクソサイトーシス,extracellular vesicles(EV),ナノチューブトンネルなど複数の機構の関与が推定されている.なかでも,病的意義の高い線維化α-synの細胞内取り込みにはエンドサイトーシスが重要な役割を担っており,細胞表面の複数の受容体分子がこれに関与することが推定されている.α-syn細胞間伝播の詳細な分子メカニズム探求により,シヌクレイノパチーの新たな疾患修飾療法への道が開かれることが期待される.
Copyright © 2021 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.