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第1土曜特集 構造生命科学による創薬への挑戦
計算機から創薬へ
協調的2アミノ酸残基同時変異体の相互作用解析による新規抗体のStructure-Based Design
Structure-based design of novel antibodies with cooperative double-point mutations,using interaction analysis
千葉 峻太朗
1
,
大田 雅照
2
Shuntaro CHIBA
1
,
Masateru OHTA
2
1理化学研究所計算科学研究センターHPC/AI駆動型医薬プラットフォーム部門分子デザイン計算知能ユニット
2同創薬AI連携基盤ユニット
キーワード:
Structure-based antibody design
,
抗原・抗体相互作用
,
抗体変異体モデル
,
協調的変異
,
in silico affinity maturation
Keyword:
Structure-based antibody design
,
抗原・抗体相互作用
,
抗体変異体モデル
,
協調的変異
,
in silico affinity maturation
pp.663-669
発行日 2021年8月7日
Published Date 2021/8/7
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27806663
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抗体創薬では医薬品に必要な諸性質をすべて満たす必要があり,そのためには多様な配列の抗体を数多く用意することが重要となる.そこで,抗原・抗体複合体立体構造から2アミノ酸を同時変異させたモデルを網羅的に構築し,その相互作用解析により,協調的2アミノ酸残基同時(DP)変異を同定し,多様な変異体を創製するという新in silico戦略に挑戦した.結合親和性45 pMの高度最適化された抗体に本法を適用し,親和性が向上した2つの新規協調的DP変異体の創製に成功した.これらDP変異体を個別の1残基変異に分割すると,活性低下あるいは発現しなかったことから,1残基変異でよいものを組み合わせる方法では協調的DP変異体を得ることは難しいと考えられた.また,DP変異とDP変異の際に副次的に得た1残基変異を組み合わせた3残基変異体を設計し,さらに活性の向上した新規抗体の創製にも成功した.今後は本方法を自動化・人工知能化し,3アミノ酸変異など同時多変異体に拡張・発展させていきたいと考えている.
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