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第5土曜特集 難治性免疫疾患――病態解明と新規治療戦略
免疫疾患の病態へのアプローチ
中枢性免疫寛容
Central tolerance
新田 剛
1
Takeshi NITTA
1
1東京大学大学院医学系研究科免疫学
キーワード:
中枢性免疫寛容
,
胸腺上皮細胞
,
自己抗原
,
制御性T細胞(Treg)
,
AIRE
Keyword:
中枢性免疫寛容
,
胸腺上皮細胞
,
自己抗原
,
制御性T細胞(Treg)
,
AIRE
pp.662-667
発行日 2021年5月29日
Published Date 2021/5/29
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27709662
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T細胞は,集団として “自己と非自己” の識別能力を持ち,感染防御や恒常性維持に重要な役割を担う.T細胞が自己成分に反応しない性質(自己寛容)は,胸腺での分化の過程でおおまかに形づくられ(中枢性免疫寛容),末梢において制御性T細胞(Treg)や免疫チェックポイント機構によって調整される(末梢性免疫寛容).胸腺にはさまざまな自己抗原が発現し,それらに反応する自己反応性T細胞が負の選択によって排除,またはTregへと分化誘導されることで,中枢性免疫寛容が成立する.胸腺における自己抗原の発現機構や抗原受容体シグナルの異常は,T細胞の抗原認識を変化させ,自己免疫をもたらす.本稿では,胸腺における中枢性免疫寛容の仕組みについて,とくに自己抗原の発現機構の話題を中心に,最新の研究成果を解説する.
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