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第1土曜特集 二次性心筋症──Present and Future
収縮不全を主徴とする二次性心筋症
頻脈誘発性心筋症
Tachycardia-induced cardiomyopathy
大谷 朋仁
1
Tomohito OHTANI
1
1大阪大学大学院医学系研究科循環器内科学
キーワード:
頻脈誘発性心筋症(TIC)
,
不整脈誘発性心筋症(AIC)
,
左室収縮機能
,
アブレーション治療
,
遺伝子変異
Keyword:
頻脈誘発性心筋症(TIC)
,
不整脈誘発性心筋症(AIC)
,
左室収縮機能
,
アブレーション治療
,
遺伝子変異
pp.413-417
発行日 2021年5月1日
Published Date 2021/5/1
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27705413
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頻脈誘発性心筋症(TIC)は,明らかな基礎心疾患がなく,長期間続く頻脈によって左室収縮機能が低下し,頻脈の改善により収縮機能の改善をきたす疾患である.心房細動に関連したものが多いが,頻脈でなくても心房細動に対する心筋アブレーションによって左室収縮機能の改善を認めることや,頻発する心室期外収縮でも同様の病態が存在することから,近年,これらを不整脈誘発性心筋症(AIC)として一連の病態とし,TICはそのひとつの病型とされている.不整脈の種類,頻脈の程度や持続期間,収縮機能の改善の程度や改善までの期間など,臨床経過は一様でなく,収縮機能の改善が不明な急性期ではとくに診断が困難である.また,代償的な頻脈との鑑別も容易でなく拡張型心筋症との鑑別が困難な症例も多く,特異的な診断指標は確立されていない.病態形成機序については動物モデルでの研究に加え,遺伝的素因などの研究も進められている.
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