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第1土曜特集 1細胞解析――技術と応用
技術
1細胞ゲノム解析で多様な細菌叢を捉える
Understanding diverse bacterial flora with single-cell genomics
細川 正人
1
,
小川 雅人
1
Masahito HOSOKAWA
1
,
Masato KOGAWA
1
1bitBiome株式会社,早稲田大学理工学術院/ナノ・ライフ創新研究機構
キーワード:
1細胞ゲノミクス
,
マイクロバイオーム
,
メタゲノム
Keyword:
1細胞ゲノミクス
,
マイクロバイオーム
,
メタゲノム
pp.947-954
発行日 2021年3月6日
Published Date 2021/3/6
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27610947
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次世代シーケンサー(NGS)の活躍によって大量のDNA配列情報を低コストに取得可能となり,さまざまな細菌ゲノムが解読され,新しい発見が相次いでいる.その活躍のなかでも,未培養細菌を直接解析するメタゲノム解析が微生物研究に与えたインパクトは大きく,マイクロバイオーム研究に欠かせない技術となっている.しかし,メタゲノム解析は多種多様な細菌が混在する試料をまとめて解析する “バルク解析” であり,そこから得られるのは全体で平均化された情報である.ヒト細胞の不均質性理解のために “1細胞解析” が用いられるのが今では当たり前となったように,微生物研究においても “1細胞解析” が必要とされ,個々の細胞の個性から細菌株レベルでの差異を見出し,細菌叢全体を議論するという方向性へ研究トレンドが移行するであろう.このパラダイムシフトには,網羅的な1細胞ゲノム解析技術の登場が必要であり,長らく技術革新が待たれていたが,今それが実現しようとしている.
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