シリーズ―腫瘍マーカーの免疫染色 (第1回) 腫瘍特異的マーカーと腫瘍特異的陰性マーカー

本稿では,ホルマリン固定･パラフィン包埋切片で証明可能な腫瘍特異的マーカーと腫瘍特異的陰性マーカーについて記述する.腫瘍特異的マーカーとしては,古典的なCEA,AFP,HCGに加えて,p53,CD30,c-Myc,G-CSF,PTH-rP,S100P,SALL4,β-catenin,bcl-2,claudin-18,MUC1,免疫グロブリンκ/λ鎖の有用性についてふれる.腫瘍特異的陰性マーカーとしては,乳癌･前立腺癌におけるCK5/6などの筋上皮･基底細胞マーカーの消失,大腸癌におけるミスマッチ修復酵素の非発現,膠芽腫におけるIDHR132HおよびO6-MGMTの欠損を例示する.