案件から学ぶ医療事故の対策と問題点
腋臭症に対するmiraDry®照射後の神経障害
向井 秀樹
1
1東邦大学医療センター大橋病院皮膚科
pp.938-939
発行日 2024年10月1日
Published Date 2024/10/1
DOI https://doi.org/10.24733/pd.0000003942
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・30歳代,女性.10歳代からとくに夏場になると腋臭が気になり,市販薬を用いて対処していた.今後予定されている結婚式を前に,友人の勧めもあり腋臭症に関してmiraDry®治療をすることを決め,クリニックを選定.
・両側腋臭症と診断され,局麻後にmiraDry®を照射.照射後に異常はなく,帰宅.
・数日後から右手指先にしびれ感が発症,放置するも改善せず.次第にしびれが増強したため1週間後に同クリニックを受診.末梢神経障害と診断され,ビタミンB12内服薬を処方された.
・その後,右腋窩照射部位に痛みを伴う発赤や腫脹が出現.皮下膿瘍を疑い,切開し少量の膿を排出.細菌培養では黄色ブドウ球菌が検出された.連日の包交で切開部の感染症は改善した.
・右手第III指や第IV指の知覚鈍麻や手指の屈曲制限もあり,近医整形外科を受診.右正中神経不全麻痺と診断され,プレガバリンを内服するも症状は改善しなかった.
(「経過」より)
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