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特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 2002
4.皮膚疾患治療のポイント
腋臭症の治療
Treatment for osmidrosis axillae
稲葉 義方
1
,
川島 眞
2
Yoshikata INABA
1
,
Makoto KAWASHIMA
2
1稲葉クリニック
2東京女子医科大学皮膚科学教室
1Inaba Clinic
2Department of Dermatology, Tokyo Women's Medical University
キーワード:
腋臭症
,
診断
,
制汗剤
,
手術療法
Keyword:
腋臭症
,
診断
,
制汗剤
,
手術療法
pp.134-137
発行日 2002年4月10日
Published Date 2002/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412903948
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腋臭症は腋窩部のアポクリン汗腺からの分泌物が皮脂と混ざり皮表細菌によって分解されることで特有の臭いを生ずる.さらに衣類に付着する黄ばみや流れ出るほどの多汗を伴うことが多く,悩みをさらに増幅させている.最近では体臭を気にしすぎる傾向が若年者にみられ,腋臭が非常に軽度あるいはまったくないにもかかわらず深刻に悩んでいる場合もある.実際に臭いを確認できれば腋臭症と簡単に診断することができるが,軽症例では受診時に腋臭を確認できないこともあり,詳細な問診を行う必要がある.殺菌作用を有する薬物による外用療法が一般的な対処法であるが,外用剤は作用時間が短いうえ効果が不十分なことも多く,さらに長期間使用によって腋窩部皮膚に色素沈着を生ずることもあった.最近開発された外用剤について簡述する.また,根治的治療法としてはアポクリン汗腺・エクリン汗腺を一括して摘出する手術療法があるが,現在行われている種々の方法の中には不確実な方法もあることは十分に認識しておく必要がある.
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