特集 膠原病―皮膚エリテマトーデスを中心にして
Editor's eye
山本 俊幸
pp.99-99
発行日 2022年2月1日
Published Date 2022/2/1
DOI https://doi.org/10.24733/pd.0000002826
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膠原病の治療は従来の副腎皮質ステロイド薬・免疫抑制薬に加え,近年分子標的薬が実際の臨床現場に登場してきた.つい先日(2021年11月末)開催された日本皮膚免疫アレルギー学会の膠原病・血管炎の専門部会でも,全身性強皮症に対するトシリズマブ(抗IL-6受容体抗体)やリツキシマブ(抗CD20抗体),全身性エリテマトーデス(SLE)に対するベリムマブ,皮膚筋炎に対するJAK阻害薬などの新規治療や,原発性Sjögren症候群患者をI型インターフェロン,サイトカイン・ケモカインの発現,B細胞の活性化などの特徴から4つのクラスターに分け,それぞれの群での個別化医療の可能性が最近の話題として紹介された.
今号では,エリテマトーデスおよびその周辺疾患に焦点を当てた.SLEの最新治療をめぐるトピックスでは,B細胞やI型インターフェロンを標的とした治療法が紹介され,これまで副腎皮質ステロイド薬やヒドロキシクロロキンによっても難治であった皮疹に対しても効果が期待されよう.また,SLEのフレアの抑制や,副腎皮質ステロイド薬の減量にベリムマブが有効であったとの実臨床での治療経験が掲載されている.効きやすい皮疹や効果の乏しい皮疹のタイプなども今後知りたいところである.
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