特集 乾癬-2017
臨床例
胆石疝痛発作により増悪した汎発性膿疱性乾癬
一桝 菜央
1
,
古川 佑来
,
山崎 まりな
,
小林 圭介
,
加藤 恒平
,
片桐 一元
1獨協医科大学附属越谷病院 皮膚科
キーワード:
Etretinate
,
鑑別診断
,
生検
,
疝痛
,
脱毛症
,
胆嚢炎
,
全身性炎症反応症候群
,
病勢悪化
,
Adalimumab
,
胆石
,
補液療法
,
Secukinumab
,
Procalcitonin
,
乾癬-膿疱性
Keyword:
Adalimumab
,
Alopecia
,
Cholecystitis
,
Calcitonin
,
Biopsy
,
Diagnosis, Differential
,
Colic
,
Etretinate
,
Fluid Therapy
,
Systemic Inflammatory Response Syndrome
,
Disease Progression
,
Gallstones
,
Secukinumab
pp.1279-1282
発行日 2017年12月1日
Published Date 2017/12/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2018134051
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- サイト内被引用
<症例のポイント>激しい胆石疝痛発作に伴い発症した汎発性膿疱性乾癬(generalized pustular psoriasis、以下、GPP)の1例を経験した。自験例では肥満、アダリムマブ中止、紅皮症、膿疱化を繰り返していた既往があり、そこに胆嚢由来の炎症が加わり全身性炎症反応症候群(systemic inflammatory response syndrome、以下、SIRS)(38℃以上の発熱、脈拍90/分以上、呼吸数20回/分以上、WBC12,000/μl以上)を伴うGPPを発症したと考えた。GPPの誘因増悪因子としては感染症やステロイド投与が多いと報告されている。自験例では胆石疝痛発作後、急速に高度な炎症と膿疱化を生じた。画像所見、血液培養では明らかな胆嚢炎の所見は確認できなかったが、プロカルシトニン(以下、PCT)の上昇を伴っており、感染症の可能性は否定できなかった。胆嚢由来の炎症は乾癬を悪化、膿疱化させる要因であり、注意が必要である。
Copyright© 2017 KYOWA KIKAKU Ltd. all rights reserved.