特集 外国語で表現されやすい皮膚病
臨床例
両第I趾爪甲に生じたretronychia
田口 理映子
1
,
小澤 健太郎
,
爲政 大幾
1国立病院機構大阪医療センター 皮膚科
キーワード:
鑑別診断
,
爪-陥入
,
爪周囲炎
,
足指
,
外国人
,
創傷被覆材
,
フランス
,
サージカルテープ
,
爪下外骨腫
Keyword:
Diagnosis, Differential
,
France
,
Nails, Ingrown
,
Paronychia
,
Toes
,
Surgical Tape
,
Subungual Exostoses
pp.155-158
発行日 2017年2月1日
Published Date 2017/2/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2017143271
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
<症例のポイント>両第I趾に生じたretronychiaの1例を経験した。後爪郭部の発赤と重層した爪甲によって、retronychiaの確定診断に至った。右第I趾には計4枚の爪甲が重層していた。爪甲除去後に爪床遠位端を趾腹側へ牽引するようにテーピング療法を行ったが、爪甲先端部は彎曲し、血管拡張性肉芽腫を伴うようになった。彎曲部をニッパーで切除し、テーピング療法に加えて爪床へのデュオアクティブETの貼布を行うことで爪甲先端部の彎曲は改善し、変形せずに伸長するようになった。retronychiaの原因としては、趾端部に外力がかかるランニングやハイキングなどのスポーツ、合わない靴、外傷などがあげられるが、自験例ではいずれにも該当せず、深爪や歩き方による趾端部の隆起が原因であったと推測した。
Copyright© 2017 KYOWA KIKAKU Ltd. all rights reserved.