特集 外用製品による皮膚病
臨床例
輪ゴムによる下腿活性絞扼症
米井 希
1
1公立那賀病院 皮膚科
キーワード:
下肢潰瘍
,
ゴム
,
肢切断術
,
静脈瘤性潰瘍
,
鑑別診断
,
扁平上皮癌
Keyword:
Amputation
,
Carcinoma, Squamous Cell
,
Diagnosis, Differential
,
Leg Ulcer
,
Rubber
,
Varicose Ulcer
pp.51-54
発行日 2015年1月1日
Published Date 2015/1/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2015110254
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<症例のポイント>下腿に全周性の潰瘍を形成し、同部位から輪ゴムが摘出された2症例を報告する。症例1では肉芽組織深部に輪ゴムが迷入していたため輪ゴムの発見が遅れ、摘出されたのは治療開始から25日目であった。症例2では初診時に輪ゴムを摘出することができたが、無治療の2型糖尿病とMRSA感染症を合併しており、腱鞘や下腿伸筋群まで壊死していたため、最終的に下腿切断に至った。輪ゴムによる仮性絞扼症は乳幼児や認知症高齢者に多く、また肉芽組織内に輪ゴムが深く埋没し、輪ゴムの発見が遅れることも多い。原因不明の全周性の皮膚潰瘍をみた場合、輪ゴムの陥入を疑うことが重要である。
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