特集 薬疹-2013
臨床例
アスピリンが原因薬と考えられた中毒性表皮壊死症
山賀 康右
1
,
花房 崇明
,
山岡 俊文
,
小豆澤 宏明
,
片山 一朗
,
吉岡 大輔
,
戸田 宏一
,
澤 芳樹
1大阪大学 医学部皮膚科学教室
キーワード:
Aspirin
,
対立遺伝子
,
血胸
,
HLA抗原
,
鑑別診断
,
パッチテスト
,
表皮壊死融解-中毒性
,
薬剤リンパ球刺激試験
Keyword:
Alleles
,
Aspirin
,
Diagnosis, Differential
,
Hemothorax
,
HLA Antigens
,
Patch Tests
,
Stevens-Johnson Syndrome
pp.1169-1172
発行日 2013年12月1日
Published Date 2013/12/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2014067181
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<症例のポイント>自験例は拡張型心筋症の経過中、アスピリン内服後に中毒性表皮壊死症(toxic epidermal necrolysis、以下、TEN)を発症した。ステロイドパルス療法と単純血漿交換療法(plasma exchange、以下、PE)を併用し、さらに免疫グロブリン大量療法(intravenous immunoglobulin、以下、IVIG)を追加したことで、速やかに上皮化した。自験例の父親にもアスピリンを含有する市販感冒薬を内服した後に、粘膜疹を発症した既往歴があった。特定のヒト白血球抗原(human leukocyte antigen、以下、HLA)アリルを有する人において、特定の薬剤に対する重症薬疹を発症するリスクが高いことが知られるが、アスピリンについては不明である。自験例とその父はアスピリンに対するDLST検査がともに陽性であり、父子で共通するHLAアリル(HLA-A*24:02、B*07:02)がTENの発症に関連した可能性が示唆された。
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