特集 手術適応を考える
漏斗胸
野口 昌彦
1,2
,
土屋 彩
1
,
秋元 柾人
1
Masahiko Noguchi
1,2
,
Aya Tsuchiya
1
,
Masato Akimoto
1
1長野県立こども病院形成外科
2信州大学形成再建外科教室
pp.134-138
発行日 2026年2月25日
Published Date 2026/2/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000001457
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はじめに
漏斗胸は先天性胸郭変形の90%を占め,その発生頻度は300~400人に1人と先天性外表異常のなかでの頻度は非常に高い1)。近年,漏斗胸では変形に伴う機能面への影響が明確となり,肺機能においては肺活量の減少のみならず,呼気中間層での呼気量の減少や,また近年では右心系を中心とした心室壁の動きが制限されることで,心悸亢進,易疲労性などの症状が説明されるようになってきた2,3)。診断においては前胸部の陥凹変形が特徴であることから容易と考えるが,成長に伴う形態的変化や組織の可塑性の変化が上述した病態に大きく影響し,治療適応の判断に関してはどの時期に,またどのような陥凹の場合治療をすべきなのか判断が難しい。通常の生活を送るうえで重大な障害とはなり得ないことから治療が先送りされる傾向にもあるが,治療の至適治療時期は比較的明確であり,また治療により上記症状が改善するのみならず,患児の心理面での改善などQOLの向上が報告されており,その点からも治療適応の判断は慎重になされるべきである4)。現在同疾患の治療法ではNuss法が第一選択とされるが,上述した内容を考慮し,漏斗胸の治療適応に関して考えるうえで必要となる①胸郭の成長変化および②Nuss法の至適手術時期の考え方の2点について,まず述べる。

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