特集 外来で役立つ知識:頭頸部・体幹・四肢の疾患
漏斗胸,鳩胸
吉田 篤史
1
,
曹 英樹
1
,
久山 寿子
1
Atsushi Yoshida
1
,
Soh Hideki
1
,
Hisako Kuyama
1
1川崎医科大学小児外科
pp.40-43
発行日 2022年1月25日
Published Date 2022/1/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000010
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はじめに
漏斗胸,鳩胸ともに胸郭変形疾患で,胸に凹みがあれば漏斗胸,胸が飛び出ていれば鳩胸である。これらの発生頻度は漏斗胸が800~1,000人に1人で鳩胸はその1/10~1/5である。この形態異常のほとんどが致命的なものではないため,過去は積極的には手術が推奨されなかった。1998年にNuss法が登場し,これまでの手術と比較して良好な胸骨挙上効果であること,QOLに対する社会的意識の変化などから,以前より積極的に手術を求めることが増えた。Nuss法の長期成績として心肺機能改善の報告1)が散見されるようになり,形態改善だけでない手術の有効性も証明されている。胸郭形態を十分に評価して保存的治療あるいは必要時には矯正手術を検討すべきである。実際に外来で患児を診察すると変形の範囲や程度,左右差など個々の症例により実にさまざまな形態がみられる。
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