特集 総排泄腔遺残症
妊娠と分娩(2) 腟flapを用いたrolled vaginoplasty後に自然妊娠・出産に至った総排泄腔遺残症の1例
横田 一樹
1
,
新美 教弘
1
,
田中 修一
1
,
毛利 純子
1,2
,
大島 一夫
1
,
仲野 聡
1
Kazuki Yokota
1
,
Norihiro Niimi
1
,
Syuichi Tanaka
1
,
Jyunko Mouri
1,2
,
Kazuo Ooshima
1
,
Satoshi Nakano
1
1愛知県医療療育総合センター中央病院小児外科
2あいち小児保健医療総合センター小児外科
pp.1204-1208
発行日 2025年11月25日
Published Date 2025/11/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000001381
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はじめに
総排泄腔遺残症は直腸,尿路,腟が一つの共通管を介して開口する先天性疾患であり,新生児外科領域においてもっとも複雑な奇形の一つである1)。乳幼児期には排尿機能や排便機能などに対する診療が生命の維持およびQOLにとって重要であるが,成長に伴い性機能,さらには妊娠・出産といった問題も長期予後としては重要な課題となる。しかしながら性機能に関する長期予後,妊娠や分娩の報告は少なく2),特に,腟flapや代用腟での出産例の報告はきわめて限られている。今回われわれは,幼少時に腟flapを利用したrolled vaginoplastyが施行され,その後成人期に自然妊娠が成立して帝王切開により出産に至ったまれな症例を経験した。

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