特集 医工・産学連携
ガーゼ遺残を予防し触覚の欠如を支援する蛍光ガーゼの開発
田代 良彦
1
,
青木 武士
1
,
安永 秀計
2
,
安藤 慎治
3
Yoshihiko Tashiro
1
,
Takeshi Aoki
1
,
Hidekazu Yasunaga
2
,
Shinji Ando
3
1昭和医科大学消化器一般外科
2京都工芸繊維大学繊維学系
3東京科学大学物質理工学院応用化学系
pp.1000-1003
発行日 2025年9月25日
Published Date 2025/9/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000001321
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はじめに
手術用ガーゼは,止血や汚染された術野を整えるためだけでなく,組織の圧排や手術の進行方向をガイドするなど,その使用法は多岐に及び,手術における必須の医療機器である。その一方で,体内でガーゼを見失い遺残を生じることがしばしば問題となり,外科医の多くがガーゼカウントの不一致によるヒヤリハットを経験している。さらに近年,触覚情報が制限される低侵襲手術に移行してからは,ガーゼの探索に開腹手術以上に苦慮する事例に遭遇しているのではないかと考えられる。

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