特集 門脈血行異常に対する治療up to date
卵黄静脈瘤と肝外門脈閉塞症
髙見澤 滋
1
Shigeru Takamizawa
1
1長野県立こども病院外科
pp.466-473
発行日 2024年5月25日
Published Date 2024/5/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000815
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はじめに
胎児エコー検査で腹腔内に囊胞が認められた場合,鑑別疾患として肝・胆道系囊胞,腸間膜囊胞,尿膜管囊胞,腸管重複症などが,カラードップラーで囊胞内部に血流を認めた場合は臍静脈瘤(umbilical vein varix)や卵黄静脈瘤(vitelline vein aneurysm)などがあげられる1)。卵黄静脈瘤はBenoistらが,胎児の腹腔内にみられた肝外の拡張した血管が臍静脈由来ではなく卵黄静脈から発生したものであるとして,2007年に初めて報告した病態である1,2)。卵黄静脈瘤は瘤内部に血栓を形成し,門脈血栓,肝外門脈閉塞,門脈圧亢進症を引き起こすことがあるため,早期の診断・治療介入が必要である1,3,4)。
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