特集 ロボット支援手術
小児膀胱尿管逆流ロボット手術
水野 健太郎
1
,
西尾 英紀
1
,
林 祐太郎
1
Kentaro Mizuno
1
,
Hidenori Nishio
1
,
Yutaro Hayashi
1
1名古屋市立大学大学院医学研究科小児泌尿器科学分野
pp.556-561
発行日 2023年5月25日
Published Date 2023/5/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000453
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はじめに
原発性の膀胱尿管逆流(vesicoureteral reflux:VUR)に対する診療指針として,日本小児泌尿器科学会により「小児膀胱尿管逆流(VUR)診療手引き2016」が作成され1),さらにその内容を英文化したものが海外に向けて国際的医学雑誌に掲載された2)。この診療手引きにも記載されているように,代表的な手術術式としてPolitano-Leadbetter法3),Cohen法4),Lich-Gregoir法5)がある。VURの手術は従来開放手術が主流であった。近年腫瘍を中心とした外科系の領域で,低侵襲手術としての腹腔鏡下手術,さらにロボット支援手術が広く普及しているが,そのサブスペシャリティの一つである小児泌尿器科領域でも腹腔鏡下手術が普及し,ロボット支援手術が導入された。その先駆けとしてda Vinciサージカルシステムを用いたロボット支援腹腔鏡下腎盂形成術が2020年4月に保険収載された。ロボット支援膀胱尿管逆流防止術(以下,ロボットVUR防止術)は,2005年に初めて施行されて以来,低侵襲治療として欧米を中心とした海外からの報告が増加している6)。わが国では名古屋市立大学病院で2013年1月に1例目が行われ,以後われわれは良好な手術成績をあげている7)。
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