特集 診断困難な小児外科症例:早期診断へのポイントとヒント
大量下血を伴う乳児Meckel憩室の1例
佐藤 陽子
1
,
森川 有里
1
Yoko Sato
1
,
Yuri Morikawa
1
1名古屋市立大学医学部附属西部医療センター小児外科
pp.1080-1083
発行日 2022年11月25日
Published Date 2022/11/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000278
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はじめに
Meckel憩室は胎生期の卵黄腸管の遺残による小腸憩室で,大部分は無症状であるが,その4~16%で腸閉塞,消化管出血,腸重積,炎症,消化管穿孔などの多彩な臨床像を示す。消化管出血は,主に憩室内の異所性胃粘膜からの酸分泌により近傍の小腸に潰瘍が発生するためであり,時に大出血をきたす。診断には,この異所性胃粘膜を検出する目的で99mTCシンチグラムが用いられる。ただし99mTCシンチグラムで描出できない陰性症例はまれでなく,この場合,小腸出血をきたす疾患との鑑別は容易ではない。
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