特集 高位・中間位鎖肛手術術式の成績と問題点アップデート
腹腔鏡補助下直腸肛門形成術:PSARPとの比較検討
古賀 寛之
1
,
山高 篤行
1
Hiroyuki Koga
1
,
Atsuyuki Yamataka
1
1順天堂大学小児外科・小児泌尿生殖器外科
pp.694-697
発行日 2022年7月25日
Published Date 2022/7/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000181
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はじめに
1982年にdeVries/Peña1)は鎖肛根治術において後方 矢状切開によって直腸に達し,排便に関わる筋群の解剖をより明確にし,かつ直腸をその中心にpull-throughする新しい手術法(posterior sagittal anorectoplasty:PSARP)を報告した。これにより高い排便機能が獲得できると期待され,時代の新しい流れを作った。しかし2000年,Peñaら2)はPSARP後の排便機能は完全なcontinenceが得られるのは38%にすぎず,25%は便失禁状態であり,必ずしも良好ではないと報告した。2000年にGeorgesonら3)が骨盤底筋群を切開しないで直腸をpull-throughする腹腔鏡補助下鎖肛根治術(laparoscopically assisted anorectoplasty:LAARP)を報告して以来,LAARPは男児鎖肛に対する根治術の選択肢の一つとして考えられるようなり,腹腔鏡手術の成績の報告が散見されている。
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