特集 小児がん診療の新展開
各論 小児がん診断の新展開
造血器腫瘍
加藤 元博
1
Motohiro Kato
1
1東京大学医学部附属病院小児科
pp.1381-1384
発行日 2025年11月1日
Published Date 2025/11/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000002747
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はじめに
小児造血器腫瘍は,白血病,リンパ腫,組織球症などを含む多様な疾患群であり,従来は骨髄塗抹標本やリンパ節生検標本の形態的特徴に基づき診断されてきた。免疫染色やフローサイトメトリー(flow cytometry:FCM)を併用することで,腫瘍細胞の分化段階や系列を同定し,病型を細分類することが可能となっていた。しかし近年,ゲノム解析技術の進歩により病態の理解は飛躍的に向上し,腫瘍細胞の遺伝子異常が診断や予後予測,治療選択に直接利用されるようになった。

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