特集 常在微生物叢と小児疾患~腸内細菌叢の先にあるもの~
ほかの臓器の微生物叢と小児疾患
鼻腔内微生物叢と上気道疾患(好酸球性鼻副鼻腔炎,アレルギー性鼻炎)
藤枝 重治
1
,
木戸 正典
1
,
足立 直人
1
,
小山 佳祐
1
FUJIEDA Shigeharu
1
,
KIDOGUCHI Masanori
1
,
ADACHI Naoto
1
,
KOYAMA Keisuke
1
1福井大学学術研究院医学系部門耳鼻咽喉科・頭頸部外科学
pp.1086-1091
発行日 2025年8月1日
Published Date 2025/8/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000002524
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はじめに
鼻腔と口腔は,外界から空気を取り込む入口であり,多くの微生物にさらされている。健康状態では,鼻腔および口腔ともに常在細菌叢が形成され,そのバランスが整っている。鼻腔であれば,膿性や粘性の鼻汁は存在せず,薄ピンクの粘膜を透明なゲル層が覆っている。そこにウイルス感染,抗原や化学物質の曝露で上皮バリアが崩れ,微生物叢が変わってくる。
本稿では,慢性鼻副鼻腔炎,とくに好酸球性鼻副鼻腔炎とアレルギー性鼻炎の鼻腔内細菌叢について述べる。

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