特集 いま話題の5歳児健康診査を詳しく学ぶ
各論 5歳児健診の実際 実施方式
具体例①:巡回型(香川県東かがわ市)―20年間の実績をふまえて
宮崎 雅仁
1,2
MIYAZAKI Masahito
1,2
1小児科内科三好医院
2香川県小児科医会
pp.618-621
発行日 2025年5月1日
Published Date 2025/5/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000002390
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
2024年4月より,こども家庭庁の施策に基づき5歳児健康診査(5歳児健診)が公的補助化され全国展開されることとなった。すでに東かがわ市では2005年4月の発達障害児者支援法(支援法)の施行に伴い,同年より市内3か所に限定したモデル5歳児健診,そして翌2006年度からは完全巡回・訪問型の悉皆健診を実施している1)。その概要はこども家庭科学研究事業により作成された「5歳児健康診査マニュアル」に先進的取り組みを実施している3自治体の一つとして掲載されている2)。香川県での5歳児健診実施の動きは支援法の施行前より模索されており,個人的には東かがわ市だけでなく県の担当部局にも働きかけを行った。その結果,行政機関の一部の方々には熱心に耳を傾けていただけたが,法律施行前ということもあり総じてその反応も動きも鈍かったと記憶している。各自治体での5歳児健診の実施にあたっては少しずつでも理解者を増やしていくことが重要である。実際,東かがわ市役所内でもその実施の効果を疑問視する意見も多々認めたが,強いリーダーシップのもとに実施の方向にまとめ上げた担当課長や,一定の理解を示してくださった当時厚生労働省より香川県に出向されていた関連部局の課長の存在もあった。蛇足な話だが,その後お二人はともに当該行政機関の要職に就かれている。

© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.