特集 いま話題の5歳児健康診査を詳しく学ぶ
総論
これからのあるべき5歳児健診
永光 信一郎
1
NAGAMITSU Shinichiro
1
1福岡大学医学部小児科
pp.607-610
発行日 2025年5月1日
Published Date 2025/5/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000002387
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はじめに
こども達の視点に立って政策を立案し,こども達の福祉や健康の向上を支援することを目指して,令和5(2023)年4月1日にこども家庭庁が発足した。「こどもまんなか社会」の実現を目的としている。こども家庭庁発足前に,小児系団体/学会はこども家庭庁概算要求に関する要望として,「乳幼児期から学童期思春期まで切れ目のない健診制度の推進」を掲げた。その後,「経済財政運営と改革の基本方針2023」(骨太方針2023)の少子化対策・こども政策の抜本強化において,妊娠期からの切れ目ない支援の拡充,乳幼児健診をはじめとする母子保健対策の推進が明記1)されたのをうけて,こども家庭庁から令和5(2023)年12月28日に,母子保健医療対策総合支援事業(令和5年度補正予算分)の実施が通知された2)。そのなかに,5歳児健康診査支援事業が記されている。小児系団体/学会が求めた乳幼児健診拡充が全国展開されるために,これからのあるべき5歳児健康診査(5歳児健診)の意義,課題と方法について記す。

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