特集 外来診療・診断のピットフォール
総論:診断プロセスのピットフォール
医療面接・診察時の注意点
遠藤 周
1
ENDO Amane
1
1順天堂大学医学部医学教育研究室/小児科学講座
pp.373-377
発行日 2025年4月1日
Published Date 2025/4/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000002313
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
小児科外来に来院する子どもは,「軽い子9割,重い子1割」とよくいわれる。欧州の家庭医による報告では,発熱で受診した小児のうち重症感染症は約1%というデータもある1)。筆者も普段から細心の注意を払って,「重症例」を見逃さない診療を心がけている。発熱・消化器症状(腹痛・嘔吐・下痢)・咳嗽は小児でもっとも認められるありふれた主訴であるが,そのなかに重症例が潜んでいる。『髄膜炎ではないか? 心筋炎ではないか? 川崎病ではないか? 急性陰囊症ではないか? 異物誤嚥ではないか? 虐待ではないか?……』と常に反芻しながら診療する必要がある。

© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.