特集 漢方で支える子どものQOL
各論
RSウイルスによる急性上気道炎・細気管支炎の症状緩和に期待したい方剤
成相 昭吉
1
NARIAI Akiyoshi
1
1安来市医師会診療所
pp.277-280
発行日 2025年3月1日
Published Date 2025/3/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000002283
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はじめに
本稿では,まず,RSウイルス(RSV;2016年からはオルソニューモウイルスが正式名称)感染症の基本的事項を確認し,小児においてもっとも重要な臨床病型である乳児の細気管支炎の臨床定義を明確にすることから解説を始める。次に,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)新興後の下気道炎入院小児例の状況を自験例を用いて提示し,RSV細気管支炎が乳児期前半の下気道炎の最多を占めること,満期産健常乳児においても小児科診療上の課題であることを明らかにする。そのうえで,乳児がRSV急性上気道炎を発症したあと細気管支炎へと進展していく過程において,気道症状を緩和することを期待して処方する方剤を説明し,最後にRSV家族内感染予防に有用性が期待される麻黄湯(まおうとう)のあらたな知見も紹介する。

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