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特集 小児臨床検査2024
Ⅶ.血液生化学検査
2.蛋白,膠質反応および関連物質 2)ハプトグロビン,α-フェトプロテイン,α1アンチトリプシン
Haptoglobin, alpha-fetoprotein, alpha1-antitrypsin
市本 景子
1
Keiko Ichimoto
1
1千葉県こども病院代謝科
キーワード:
急性期反応蛋白
,
溶血性疾患
,
肝硬変
,
肝癌
Keyword:
急性期反応蛋白
,
溶血性疾患
,
肝硬変
,
肝癌
pp.176-179
発行日 2024年10月25日
Published Date 2024/10/25
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001910
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Ⅰ.ハプトグロビン
1 検査の意義と適応
ハプトグロビン(Hp)は,主に肝で産生されるヘモグロビン結合蛋白で,炎症状態で産生が亢進する急性期反応蛋白で,α2-グロブリン分画に属する糖蛋白質である。ヘモグロビン(Hb)が血中に遊離されると迅速にきわめて強固に結合し,細網内皮系細胞のレセプターを介して速やかに取り込まれて分解処理される。Hpの半減期は3.5~5日であるが,Hp-Hb複合体は9~30分と非常に短く,Hpの代償的産生は起きないため溶血状態をきわめて鋭敏に捉えることができ,約10%の溶血をきたすと血清Hpは消失するといわれている1)。この機構により遊離型Hbの毒性を中和するとともに腎糸球体からのHb喪失を防止する。血中Hpの意義として,急性相反応物質や溶血の有無のチェックおよび肝障害の程度,不適合輸血の場合などに有用である。
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