海外文献の紹介
コロナ禍によってワクチン忌避の保護者の比率に変化はなかった
榊原 洋一
1
1お茶の水女子大学名誉教授
pp.161-161
発行日 2024年2月1日
Published Date 2024/2/1
DOI https://doi.org/10.34433/ch.0000000413
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新型コロナのパンデミックの間,私も含めた多くの小児科医は,成人や高齢者に比べて新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の重症度が子どもでは比較的低いことに胸を撫でおろしていたが,同時に大きな懸念も抱えていた。それは,診療所での新型コロナ感染への不安から子どもの受診数が減り,その結果健診やワクチンで防げる麻しんや風しんなどの通常のワクチン接種の接種率が低下することである。新しいタイプのワクチンであるmRNAワクチンへの不安も,ワクチン全体への接種控えにつながり,それがパンデミック後の子どもの健康状態に悪影響を起こすのではないかとおそれていた。
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