特集 小児の心身症~いま改めて心身相関を考える~
各論:診療の実際
【コラム】心身症から神経発達症を診断する
宮地 泰士
1
MIYACHI Taishi
1
1名古屋市西部地域療育センター
pp.1047-1048
発行日 2023年6月1日
Published Date 2023/6/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000976
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はじめに
心身症とは,発症や症状の変化に心理社会的因子が密接に関与し,器質的病変または機能的障害を認める身体疾患群で,精神障害に伴う身体症状を除外したものである。一方,神経発達症とは発達期に発症し個人的あるいは社会的な機能の障害をひき起こす,いわゆる発達障害を中心とした一群の総称である。米国精神医学会が作成した『精神疾患の診断・統計マニュアル第5版(DSM-5)』では,神経発達症には発達障害のほかにチック症群なども含まれているが,チック症群については本特集の別稿に詳しいため,本稿では神経発達症の中心的な存在である発達障害と心身症との関係や鑑別についてまとめてみたい。なお,発達障害には知的発達症/障害,自閉スペクトラム症,注意欠如多動症/障害,限局性学習症/障害,発達性協調運動症/障害,言語症/障害などがある。
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