特集 小児の心身症~いま改めて心身相関を考える~
各論:診療の実際
小児心身症の「標準的診断と治療」を目指して
小柳 憲司
1
KOYANAGI Kenshi
1
1長崎県立こども医療福祉センター
pp.965-969
発行日 2023年6月1日
Published Date 2023/6/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000959
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はじめに
心身症とは,身体疾患(症状)のうち,心理社会的因子が密接に関与するため,その治療に心理社会的因子への配慮が欠かせない病態をいう。強い心理的ストレスがかかったときに頭痛や腹痛,身体のだるさなどの症状を感じた経験は誰にでもあるだろう。それが単発のものであれば大きな問題はないが,慢性的にくり返し起こると,さまざまな活動に参加できなくなったり登校できなくなったりすることで,日常生活上の困難を生じる。心身症とは疾患ではなく,そのような「病態」を示す用語である。いわゆる機能性疾患や,器質性疾患であっても慢性に経過するものは,心身症の病態を形成しやすい。
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