病院管理の工夫
心と身体の調和を目指して—心身症外来とMSW
高田 玲子
1
1関東逓信病院
pp.1060-1061
発行日 1981年12月1日
Published Date 1981/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541207631
- 有料閲覧
- 文献概要
"先生,最近はどうも意欲がわかなくて,思考力が低下し,以前の自分のような感じでなくて,毎日出勤するのがおっくうで"という会社員や,"毎朝登校しようと支度をするんですが,いざ家を出ようとすると吐き気がしたり,お腹がいたくて学校に行くのが心配で,結局学校へ行けないんです"という女子高校生,"色々医療機関でみてもらったんですが,いっこうによくならなくて,首や肩に痛みがとれなくて仕事にならないんです"と訴える休職中の公務員などが当相談室に増えている.これらの症状を持つ一連の人々は,各外来や入院患者に数多くみられ,その対応として昭和53年より院内の精神科医と神経内科医が中心となり「心身症外来」を開くに至り,メディカルソーシャルワーカー(以下MSWと略す)も医師の指導と協力のもとにこの外来に参加することになった.これらの人々は,我々の外来に出会うまでに色々な科—上記の例で言えば精神科や消化器内科,神経内科など—を受診し,諸検査の結果,器質的に問題がないにもかかわらず不定愁訴を繰り返している一群である.
この外来は,従来の器質的疾患を主流としていた当院の医療を横断的にとらえ,ニードのある患者はどこからでも依頼されるようにした.
Copyright © 1981, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.