特集 小児の移植医療
序―小児医療と移植医療
賀藤 均
1
KATO Hitoshi
1
1賛育会病院小児科
pp.737-738
発行日 2023年5月1日
Published Date 2023/5/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000893
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日本の小児医療は,感染症・アレルギー疾患・ワクチン接種などの予防医学・子育て支援が中心の現場と,慢性疾患・新生児医療・重症急性疾患の管理がメインとなった現場とで2極化している。そこに割って入るように,注意欠如・多動症(ADHD)・自閉スペクトラム症などの発達障害医療が3極目を形成しようとしている。そうはいっても成人領域での最先端の医療技術は否応なく小児領域に入ってくる。移植医療はその最たるものの一つであろう。多くの小児科医にとって移植医療は遠い世界かもしれない。しかし,重体となった小児患者を救う唯一の手立てが移植医療であるという事例が存在することも事実である。そして,日本の移植手術生存率は世界トップである。医療者は移植が唯一の救命手段となった小児患者を見捨てることはできない。今の移植医療がどのようになっているのか,知識として小児科医も知っておくべきであろう。
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