特集 ウイルス感染症
序
編集委員会
pp.791
発行日 1988年10月20日
Published Date 1988/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411200227
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ウイルス感染症に関する研究は基礎医学が先行し,その発症機序や病理などを明らかにしてきた。これらの基礎的研究はさらに発展して臨床面にも及び,応用ウイルス学としてウイルス感染症の診断,治療,予防法を確立し,臨床の分野に大きく貢献した。そのためこれまでの臨床は基礎医学に追随して研究が進められてきた。しかし現在は臨床もこの追随から脱皮し,臨床ウイルス学として新たな展開をみせている。そして数多くの優れた研究業績が発表されるに至った。耳鼻咽喉科領域でも種々のウイルス感染症に対して臨床ウイルス学の立場から取り組んでいる施設もみられるようになってきた。
また最近,新しいウイルス感染症としてAIDS (後天性免疫不全症)やATL (成人T細胞白血病)が注目されるようになり,臨床ウイルス学にとって大きな課題となってきた。この新たな感染症は耳鼻咽喉科にも関連があり,また耳鼻咽喉科医にとっても医療従事者としての面からも大きな関心事である。
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