特集 新しい時代の小児感染症
各論:感染臓器別
骨・関節感染症
急性骨髄炎
村井 健美
1
MURAI Takemi
1
1長野県立こども病院総合小児科感染症科
pp.549-552
発行日 2023年4月1日
Published Date 2023/4/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000839
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はじめに
骨髄炎はもっとも古くからある感染症の一つであり,2億9100万年から2億5000万年前に存在した爬虫類に骨髄炎の所見が確認できる1)。ヒトではHippocrates(紀元前460~紀元370年ころ)により初めて報告されている1)。急性骨髄炎は骨の炎症性疾患で通常,細菌感染が原因となり骨破壊を伴う。感染は骨の一部にとどまることもあれば,骨髄,骨皮質,骨膜および隣接組織など複数の領域にまたがることもある。小児の骨は発達途中であるため,急性骨髄炎を適切に治療しなければ,将来的な機能障害や成長障害をきたす。
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