特集 コロナ禍でのグローバルヘルス
各論:アジア諸国の対応
WHO西太平洋地域におけるワクチンと予防接種プログラムを用いた新型コロナウイルス感染症への対応
髙島 義裕
1
TAKASHIMA Yoshihiro
1
1World Health Organization
pp.83-91
発行日 2023年1月1日
Published Date 2023/1/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000734
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WHO西太平洋地域におけるワクチン接種プログラムとVPD制圧事業の進展(1970年代~2020年)(図1)
1.全乳児への必須ワクチンの定期接種を可能にするシステムの創設(1974年~1980年代)
1974年,世界保健機関(World Health Organization:WHO)の加盟国の政府関係者が参加するWHOの政策決定機関である世界保健総会(World Health Assembly:WHA)において,すべての小児が1歳になるまでに,6つの疾病(ポリオ,麻疹,ジフテリア,破傷風,百日咳,結核)に対するワクチン接種を完了させるための国の事業,NIP(National Immunization Programme)をすべての加盟国が創設すること,NIPを支援するためにWHO事務局(Secretariat)の本部や6つの地域事務局にEPI(Expanded Programme on Immunization)を設立することを決議した。NIPとEPIにより,1980年代における乳児への定期ワクチン接種(routine immunization:RI)は順調に進展し,それぞれのワクチン接種率の急速な上昇が,1988年,2000年を達成目標とした世界ポリオ根絶事業(Global Polio Eradication Initiative:GPEI)の開始を可能にした。
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