症例
急激な呼吸状態悪化を呈した再発性多発軟骨炎の1例
岩田 直也
1
,
中川 権史
1
,
沼田 寛
1
,
吉田 真衣
1
,
坂部 匡彦
1
,
東尾 篤史
2
,
遠藤 耕介
2
,
諸冨 嘉樹
2
,
佐藤 正人
2
,
山口 智也
3
,
前谷 俊樹
3
,
渡辺 健
1
,
秦 大資
1
IWATA Naoya
1
,
NAKAGAWA Kenji
1
,
NUMATA Hiroshi
1
,
YOSHIDA Mai
1
,
SAKABE Masahiko
1
,
HIGASHIO Atsushi
2
,
ENDO Kosuke
2
,
MOROTOMI Yoshiki
2
,
SATO Masahito
2
,
YAMAGUCHI Tomoya
3
,
MAETANI Toshiki
3
,
WATANABE Ken
1
,
HATA Daisuke
1
1公益財団法人田附興風会医学研究所北野病院小児科
2公益財団法人田附興風会医学研究所北野病院小児外科
3公益財団法人田附興風会医学研究所北野病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科
pp.2035-2040
発行日 2022年12月1日
Published Date 2022/12/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000507
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はじめに
再発性多発軟骨炎は,軟骨やプロテオグリカンに富んだ構造を損傷し破壊するとされる慢性炎症性疾患である1)。年間発症率は100万人あたり3.5人程度2)という希少疾患であり,さらにそのうちのほとんどは成人発症のため3),小児科医として不明熱の鑑別疾患に挙げることが難しい疾患である。耳介軟骨炎,鼻軟骨の変形,強膜炎などが特徴的だが,気道病変をきたす場合に重篤化するおそれがある。しかし明確な治療指針は確立されておらず,治療に難渋する例も少なくない。今回発熱・胸部痛を主訴に来院し,不明熱の鑑別中に急激な呼吸状態悪化をきたした再発性多発軟骨炎の1例を経験したので,文献的考察を加えて報告する。
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