特集 小児科医が知っておくべき性の知識
総論:思春期発来の機序
性の分化機構
室谷 浩二
1
MUROYA Koji
1
1神奈川県立こども医療センター内分泌代謝科
pp.1654-1659
発行日 2022年10月1日
Published Date 2022/10/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000412
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はじめに
成人男女は,性腺,内外性器,体格において明確な表現型の差異を認める1)。これらの性差は,胎生期における性腺形成,性管・外性器形成の過程(狭義の性分化)に始まり,思春期における二次性徴出現,性成熟,配偶子形成の過程(広義の性分化)を経て完成する。この性分化の過程は,① 性腺形成と外性器分化において,発生初期に両性に共通する原基が形成され,その後,遺伝的性に従って異なる性腺や外性器に分化すること,② 性管形成において,発生初期に両性の器官が形成され,その後,遺伝的性に一致する性管のみが発達すること,③ 生殖細胞という次世代に引き継がれる唯一の細胞が発生すること,により特徴づけられる。
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